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ビュッフェ・クランポン Gala 徹底解説|自然な発音と豊かな倍音を備えた現代的プロフェッショナルモデル | Buffet Crampon

クラリネット深掘り特集・第10回

“Gala”とは ― 〈ビュッフェ・クランポン〉が現代の要望に応えて生み出した第3の内径系統のプロフェッショナルモデル

“Gala”(ガラ)は、2020年に発表され、2021年4月に発売開始された〈ビュッフェ・クランポン〉のプロフェッショナル・クラリネットです。
“BC20”をルーツとする第3の内径系統に連なるモデルとして位置づけられ、自然な発音、豊かな倍音、全音域にわたるバランスの良さを特長としています。第3の内径系統は、〈ビュッフェ・クランポン〉のプロフェッショナル・クラリネットを内径設計の系譜から整理した三つの流れの一つで、円筒形内径の特性を基盤に、透明感と新たな響きを志向した設計です。

“Gala”は、“R13”“RC”と並ぶ現在のプロフェッショナル・スタンダードの一つです。
それぞれが異なる設計思想を背景に持ち、吹奏感や音の個性にも違いがあります。

30秒でわかるGala
  • 2021年4月発売開始のプロフェッショナルモデル
  • “BC20”をルーツとする第3の内径系統に連なる一本
  • 息を入れると素直に鳴る、自然な発音
  • 豊かな倍音と全音域にわたるバランスの良さ
  • 吹きやすさとバランスを重視した設計
  • ブラックニッケルめっき仕上げが印象的な外観

“Gala”は〈ビュッフェ・クランポン〉クラリネットショールームにてご試奏いただけます。 ショールームのご案内

2020年発表時の公式プレゼンテーション(開発責任者による紹介)
2020年の公式プレゼンテーションでは、“Gala”を「“BC20”をルーツとする第3の内径系統に連なるプロフェッショナルモデル」と位置づけ、豊かな倍音、音域間のバランス、発音のしやすさを重視した設計であると説明。あわせて、息を入れたときの自然な反応、全音域にわたるバランス、ブラックニッケルめっき仕上げによる落ち着きと洗練を、このモデルの特徴として紹介しています。
※Buffet Crampon公式YouTube「Presentation of the Gala clarinet with Grégory Demailly」の要約です。

開発背景

“Gala”は、〈ビュッフェ・クランポン〉が近年進めてきた第3の内径系統の研究と発展を背景に生まれたモデルです。

2017年以降、“BC20”を起点とする“Tradition”と“Légende”の登場によって、第3の系統のファミリーは次第に輪郭を帯びていきました。“Gala”は、その流れをさらに発展させるかたちで誕生したモデルであり、オーケストラ、室内楽、独奏、といった多様な演奏環境に求められる発音の自然さ、倍音の豊かさ、全音域のバランスを実現し、“R13”および“RC”と並ぶ、第3の内径系統のプロフェッショナルモデルのラインナップとして生まれました。

その背景には、フランス製ならではの高い品質を保ちながら、より手の届きやすい価格帯のプロフェッショナル・クラリネットを求める声がありました。“Gala”は、そうした要望に応えるモデルとして位置づけられています。

最新の研究成果を踏まえて設計された“Gala”は、新しさを強調したモデルというよりも、近年の開発成果の積み重ねのうえに結実した一本といえます。豊かな倍音と全音域にわたるバランスの良さを備えた“Gala”は、現代の〈ビュッフェ・クランポン〉を代表する新しいプロフェッショナル・スタンダードの一つです。

設計の核心

“Gala”の設計で重要な点は、“BC20”をルーツとする第3の内径系統に連なるモデルであることです。第3の内径系統は、円筒形の内径特性を基にした、透明感と新たな響きを目指して設計されました。

ただし、同じ系統に属することは、内径仕様そのものが全く共通しているという意味ではありません。同じ内径系統であっても、機種ごとに仕様は異なります。

“Gala”もまた、“BC20”を開発の出発点としながら、その後の設計の方向づけによって独自の個性を与えられたモデルです。第3の内径系統に連なる設計的背景を持ちながら、扱いやすさと音響バランスの両立に着目してまとめられていることが、このモデルの核心といえます。

外観と仕上げ

“Gala”の外観上の特徴として、接合部リング、メタルプレート、リガチャーに採用されたブラックニッケルめっき仕上げが挙げられます。このブラックニッケルめっきは、細部に現代的で洗練された印象をもたらします。音響面の特長とは異なる次元で、こうした外観上の特徴もまた、“Gala”の大切な要素となっています。

音色と演奏特性

“Gala”の特長としてまず挙げられるのは、息を入れたときの自然な反応です。立ち上がりが素直で、吹きやすさとバランスを重視した設計となっています。音の傾向としては、豊かな倍音と全音域にわたるバランスの良さが挙げられます。

ここでいう豊かな倍音とは、基音に対して多くの倍音を含む状態を指します。また、全音域にわたるバランスの良さとは、クラリネット特有のレジスターキーを押した時に完全12度上に跳躍する音域において、発音のしやすさ、音程、音域間の移行の柔軟さに関わる特性です。

開発に際しても、スロート音域(G、G♯、A、B♭)のイントネーションと音の鳴り方、レジスターキー使用時の音程バランス、右手高音域の音程といった点が重視されました。こうした要素の積み重ねが、“Gala”の軽やかな発音、豊かな倍音、全音域にわたるバランスにつながっています。

系統内での位置づけ

“Gala”は、“R13”“RC”と並ぶ〈ビュッフェ・クランポン〉の現行プロフェッショナル・スタンダードの一つです。“R13”が明瞭で芯のある響き、“RC”が密度感と均質性を特長とするのに対し、“Gala”は、軽やかな発音、豊かな倍音、全音域のバランスを特長としています。

同時に“Gala”は、“BC20”をルーツとする第3の内径系統に連なるモデルでもあります。
第3の内径系統に共通する設計的背景を持ちながらも、内径仕様や開発目標は機種ごとに異なり、“Gala”はその中で、自然な発音と全体のバランスに重きを置いてまとめられたモデルとして位置づけることができます。

ソプラノクラリネット内径設計の系統図

〈ビュッフェ・クランポン〉クラリネット三系統(R13系・RC系・第3内径系)と“BCXXI”の位置づけチャート

→ ソプラノクラリネットの各設計系統の全体像については、以下の特集ページをご参照ください。: 内径系統の比較記事

仕様

・ベームシステム
・17キー、6リング
・アフリカ産グレナディラ材
・木製煙突
・レザーパッド
・調節可能指かけ
・付属バレル:B♭管 66mm / 65mm、A管 64mm / 65mm

※仕様の詳細は、ブランド公式サイトの製品ページをご確認ください。

まとめ

“Gala”は、“BC20”をルーツとする第3の内径系統に連なる〈ビュッフェ・クランポン〉のプロフェッショナル・クラリネットです。
フランス製の高い品質を保ちながら、自然な発音、豊かな倍音、全音域にわたるバランスの良さを備えたモデルとして、“R13”、“RC”と並ぶ、現代のプロフェッショナル・スタンダードの一角を担っています。

第3の内径系統に連なる設計思想を背景に持ちながら、独自の個性を備えた一本として、“Gala”は現代の〈ビュッフェ・クランポン〉を代表するスタンダードモデルの一つといえるでしょう。

執筆・構成:ビュッフェ・クランポン・ジャパン
出典:ビュッフェ・クランポン社内アーカイブ(開発関係資料/テスターコメント/製品資料等)、公式製品ページ
参考:当サイト掲載インタビュー・イベント記事 ほか
注記:本記事は社内アーカイブおよび公式資料に基づく一次情報を中心に構成しています。

関連情報|〈ビュッフェ・クランポン〉のクラリネットは、ビュッフェ・クランポン・ジャパンの「クラリネットショールーム」または全国の公認特約店にてご試奏いただけます。

クラリネットショールーム|Clarinet Showroom
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