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ビュッフェ・クランポン Légende 徹底解説|第3の内径設計がもたらす安定した音程と自然な演奏感

クラリネット深掘り特集・第9回

“Légende”とは ― 第3の内径系統のフラッグシップとして深化した設計

〈ビュッフェ・クランポン〉“Légende”(レジェンド)は、R13系統、RC系統に続く、新しい第3の内径のコンセプトを基盤に開発されたプロフェッショナル・クラリネットです。同じ内径系統のプレミアムモデルである“Tradition”の設計思想を出発点としながら、音響設計と操作性の両面でさらなる最適化が図られました。第3の内径系統の特長である音程の安定性と均質な響きをさらに磨き上げ、オーケストラ、室内楽、独奏といった多様な演奏環境に対応するため、幅広いダイナミクスレンジの変化に対しても安定した響きが得られる設計が追求されています。

「“Légende”は、最高品質の楽器を作るために開発されました。」(ミシェル・アリニョン、テスター)

30秒でわかるLégende
  • 第3の内径のコンセプトを深化させたフラッグシップモデル
  • 全音域で安定した音程と均質な響き
  • ff〜ppまで響きが減衰しにくい設計
  • “Légende”専用キーワークがもたらす自然な操作感
  • Low Fコレクションキー装備
  • 要所のトーンホールにグリーンライン素材を採用した構造設計(グレナディラ製の管体の場合)

“Légende”は〈ビュッフェ・クランポン〉クラリネットショールームにてご試奏いただけます。 ショールームのご案内

2017年ローンチ時の公式定義(ティーザー)
2017年公開の公式動画では、“Légende”を〈ビュッフェ・クランポン〉の新世代モデルとして位置づけ、接合部補強リング、上管の一部のトーンホールへのグリーンラインの採用(グレナディラ製の管体の場合)、Low Fコレクションキー、人間工学に基づくリング設計などの新機構を統合したモデルとして紹介しています。また、厳選された天然グレナディラ材の採用により、全音域にわたる均質な響きと高い演奏安定性を志向した設計であることが示されています。(※Buffet Crampon公式YouTube 2017/07/26公開動画の説明文に基づく要約です。)

開発背景 ― 第3の内径の完成度を高める取り組み

“Légende”の開発では、第3の内径が持つ潜在能力を、演奏現場でより安定して発揮できる状態にまで高めることが主眼とされました。

〈ビュッフェ・クランポン〉のB♭クラリネットは、長年にわたりR13系統とRC系統という二つの歴史的系譜を軸に発展してきました。これに対し“Légende”は、近年の音響研究を背景に確立された第3の内径思想に属し、音域全体の均質性、発音の安定感、音程の安定を高い水準で総合的に高める設計が採られています。

その結果、“Légende”は単なるフラッグシップ仕様ではなく、第3の内径の完成度を高めたモデルとして位置づけられます。

設計の核心

新内径設計の発展
“Légende”は、“Tradition”で導入された第3の内径の設計を基盤としつつ、音域全体の均質性と音程のさらなる安定を目標に再検証が行われています。これにより、全音域にわたる音程の安定、音域間移行の滑らかさ、発音の安定感が高い水準で統合されています。

グリーンライン素材の採用
管体がグレナディラ製のモデルでは、要所のトーンホール部にグリーンライン素材を採用し、木部の安定性に配慮して設計されました。

Low Fコレクションキー
下管右手側にはLow Fコレクションキーを装備。フォルテでの演奏時も、響きを維持したまま音程を安定させることができます。

人間工学に基づいた“Légende”専用のキーデザイン
“Légende”では、演奏時の自然な手の動きを考慮し、すり鉢型の“Légende”専用リングキーおよびキーワークを採用しています。これにより、指の収まりの良さ、操作時の無理の少なさ、長時間演奏時の安定性が向上しています。

音色と演奏特性

“Légende”の音響的特長は、第3の内径の設計による均質性を基盤としながら、透明感と彩度を併せ持つ響きにあります。
主な傾向:
・クリアでまとまりのある音
・音域全体の均一感
・ダイナミックレンジの安定
・レガート時の滑らかな音の連なり
ffからppまで響きの減衰が少なく、オーケストラ、室内楽、独奏といった多様な場面で優れたレスポンスと安定した響きが得られる設計です。

“Légende”を愛用・使用歴のあるアーティスト(現在の使用機種を断定するものではありません)

系統内での位置づけ

“Tosca”“Divine”との比較
〈ビュッフェ・クランポン〉のフラッグシップ・クラリネットは、出自となる内径思想により性格が明確に分かれています。

“Tosca”(R13系統):遠達性とフォーカスの明瞭さを高度に追求したフラッグシップ。
“Divine”(RC系統):均整の取れた厚みある響きを基盤に、音程整合性の再設計を行ったフラッグシップ。
“Légende”(第3の内径系統):均質な響き、安定した発音、自然な操作感を高い水準で統合した新世代フラッグシップ。

すなわち、“Légende”は従来の二大系統とは異なる設計思想から出発し、現代の演奏環境における総合的な扱いやすさと安定性を重視したポジションにあります。

ソプラノクラリネット内径設計の系統図

〈ビュッフェ・クランポン〉クラリネット三系統(R13系・RC系・第3内径系)と“BCXXI”の位置づけチャート

仕様(B♭)

・調子:B♭
・内径系統:第3の内径系統(“BC20”の円筒形ボアに着想を得た、“Tradition”を起点とする系統)
・主な位置づけ:プロフェッショナル・クラリネット
・管体:アフリカ産最上級グレナディラ(トーンホール要所にグリーンライン)
・キー:洋銀・銀めっき、“Légende”専用キーデザイン
・補助キー:Low Fコレクションキー
・バレル:2本付属(in B♭=65/66mm)
・ケース:“Légende”専用HIGHTECH仕様ケース
(※詳細仕様はブランド公式サイトをご参照ください)

素材仕様について

本モデルの基本仕様は、グレナディラ材およびグリーンライン材によって構成されています。
〈ビュッフェ・クランポン〉では、より高い音響性能と表現可能性を追求する継続的な取り組みの一環として、モパネ材や柘植材などを用いた限定仕様が展開された例もあります。(→ 素材別クラリネット解説記事を後日公開予定です)

まとめ

“Légende”は、第3の内径のコンセプトを基盤に、音程整合性、均質性、操作自然性を高い次元で統合したプロフェッショナルモデルです。
R13系統の“Tosca”、RC系統の“Divine”と並び、〈ビュッフェ・クランポン〉の現代クラリネット設計における重要な到達点の一つといえるでしょう。
オーケストラ、室内楽、独奏――
多様な現場で安定した応答と音響バランスを求める奏者に向けた一本です。

執筆・構成:ビュッフェ・クランポン・ジャパン マーケティングチーム
出典:ビュッフェ・クランポン社内アーカイブ(開発者対談/年史/製品資料)、公式製品ページ
参考:当サイト掲載インタビュー・イベント記事 ほか
注記:本記事は社内アーカイブに基づく一次情報を中心に構成しています。

関連情報|〈ビュッフェ・クランポン〉のクラリネットは、ビュッフェ・クランポン・ジャパンの「クラリネットショールーム」または全国の公認特約店にてご試奏いただけます。

クラリネットショールーム|Clarinet Showroom
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