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ミシェル・アリニョン教授法

ミシェル・アリニョン氏 教授法 第12章:楽器、マウスピース、リード

クラリネットの音色と音程は、内径やマウスピース、リードとどのように関わっているのか ― 本章では、ミシェル・アリニョン氏が、〈ビュッフェ・クランポン〉の音づくりをめぐって、 “Légende” や “Tradition” の音色、古いクラリネットの内径、音程の課題、そして木製マウスピースからエボナイトへの移行やリードの変遷について語ります。ハインリッヒ・メッツェナー氏による記録をもとに、楽器とマウスピース、リードの関係をあらためて見つめる対話をお届けします。

※本記事は、Cladid-Wiki(Haute École Spécialisée de Lucerne, HSLU)に掲載された 「Michel Arrignon — Pédagogie de la clarinette」 (執筆:Heinrich Mätzener/2018年5月4日・マント=ラ=ジョリー)の 公式日本語翻訳版です。
著者 Heinrich Mätzener 氏および Camille Arrignon 氏の許可のもと、 ビュッフェ・クランポン・ジャパンが翻訳・編集を行っています。

12. 1 内径、音色、そして音程
Perce, qualité de son et intonation

HM:〈ビュッフェ・クランポン〉の新しい機種 “Légende” (レジェンド)では、弱音の中でより繊細に音色を変えていける可能性を、音量や響きの力強さ以上に追求した、ということでしょうか。

MA:ええ、「弱音の中でも音の豊かさを保つ」ということです。どんなニュアンスにおいても、です。〈ビュッフェ・クランポン〉について言えば ― あなたもおっしゃったように ― その「美しい音」を追求してきた長い経験は、少し立ち止まって考える価値があるものです。“Légende” という輝かしい系譜の最新作も含め、クラリネットの設計に携わる人々 ― その中でも特に主要なテスターたち ― は、皆、同じ音のイメージを持っています。ですから、あなたがいま言われたような、〈ビュッフェ・クランポン〉特有の音色 ― それを再発見するのは比較的容易なんです。

実際、“Légende” や “Tradition”(その名のとおりですね)には、50年前に存在したあの音 ―(豊かな音色と、よくフォーカスされた芯のある響き ― アメリカ人の言葉で言えば “centered sound”) ― を再び見出したいという意志が込められています。ただし、当時の音程上の問題(クラリネット特有の不安定さ)は、すでに解決されています。とりわけ “Tosca” の登場によって。その音を再び見つけ出すことは難しくありませんでした。そして、過去50年間で得たすべての知見によって、いまやプロの現場に耐える音程精度を得られるようになった。 ― 当時はそうではなかったですよね(笑)。

私は、古いクラリネットには優れた内径と音色があったと思います。ただし、クラリネットという楽器の構造そのものに由来する問題 ― つまり、シャリュモー音域(特に低音域)とクラリオン音域との音程差の問題 ― それは当時、まだ解決されていませんでした。
しかし、少しずつ学び、理解が進み、ここでは詳しく言えませんが、その問題を安定させ、非常に良い方向へ進化させることができたのです。

HM:この50年の間に、しかけ ― より硬いリードや、少し開きの広いマウスピース ― それらも変わってきたのではないでしょうか?

MA:ええ、確かにそうです。そして、ご存じのとおり、大きな進歩がありました。マウスピースが、もう木製ではなく、エボナイト製になった。それがすべてを変えたんです。

HM:ああ、そこは今、思い至りませんでした。

MA:実際のところ、木製マウスピースで演奏していた時代 ― 私は最近、それを試してみたんですが ― そのときは、二つの不安定な要素を抱えていたんです。ひとつはリード、もうひとつはマウスピースです!

12.2. リード
Anches

MA:エボナイトを使うようになってから、大きな問題がひとつ、なくなったんです!ありがたいことに。というのも、木製のテーブル面(マウスピースのリードが当たる面)は非常に不安定で、異なるティップ・オープニングのマウスピースを作るのがとても複雑だったからです。今では、気候に大きく左右される要素として残っているのは、リードだけになりました……。この不安定さを補うために、合成素材によるリードが研究・製造されてきました。私は、それらの絶対的な支持者というわけではありません。ですが ― たとえまだ改良の余地が大きいとしても ― そうした試みこそが、前進をもたらすのです!

原文:Michel Arrignon — Pédagogie de la clarinette(Cladid-Wiki / Haute École Spécialisée de Lucerne)
執筆:Heinrich Mätzener(2018年5月4日/マント=ラ=ジョリー)
日本語訳・編集:ビュッフェ・クランポン・ジャパン
翻訳および公開は、Heinrich Mätzener 氏および Camille Arrignon 氏の許可に基づいています。

このページは 「ミシェル・アリニョン教授法 — クラリネット教育における哲学と実践」 シリーズの一部です。

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ミシェル・アリニョン氏 教授法 — クラリネット教育における哲学と実践(目次)
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